2022.05.18 LUVINA'S MIND

【中級管理者向け】 課題管理

目的・課題・アクションの構造によるチーム運用」という前回の記事では、プロジェクト運用の主な技術として会議の技術、課題管理の技術及びアクション管理の技術が挙げられている。

本記事では、課題管理について詳細に説明する。

題の積極的な意味

  • 「課題」とは、ある目的を達成するために解決すべきものであり、発生したトラブルや実害を意味する「問題」とは異なる。
  • 課題の例 
    • ①仕事のスピードアップをするための新しい方法
    • ②メンバーのやる気を高めるためのメンタルヘルスケア方法
  • これらの課題を解決することで、 お客様への提供価値が高まり①、チームやプロジェクトの状況が改善する②と想定される。
  • 課題は問題と違って目に見える物として存在しているのではないため、積極的に見つけて解決すべきものである。

課題管理帳票の内容

No

分類

タイトル

内容

記入日

状態

優先度

結果・結論

分類基準とは?

未対応

対応中

完了

ダミー課題の整理

  • 通常はしばらく課題管理帳票にいっぱい載せられるが、その半分以上がダミー課題となることがある。
  • ダミー課題はその説明が分かりにくい、又は持続的な効果を生み出す具体的なアクションの特定が難しいという特徴がある。
  • ダミー課題は本当に取り組まなければならない課題から私たちの気をそらす可能性がある。

ダミー課題を特定するチェックポイント

チェックポイント

問題を課題と間違えている。

性能が悪く、応答に30秒はかかる。

その対応が他者に依存する。

ログイン機能の仕様が未定になっているため、お客様に決定していただく必要がある。

当たり前のレベルが高すぎる。 

品質を向上させる。

目的が不明確。

通信モジュールをやり直す必要がある。

優先度が不正確。

すべての課題に優先が高いことを示す「重要」をつける。

分類が不明確。

定義していない分類で記載されているものが多い。

上記のチェックポイントに該当している場合、次の4つのアクションを実行する必要がある。

1.問題から課題を見つける。

2.次のアクションが分かるように、課題を書き直す。

3.プロジェクトの目的に直接繋がる課題を優先する。

4.分類を簡単にできるようにする。

問題から課題をみつける

  • 「問題」は「性能が悪く、反応に30秒はかかる」、「メンバーがよく遅刻する」などのトラブルや実害である。問題があったら、それを解決するために何かをしなければならない。「何をするか」は解決すべき「課題」に該当する。
  • 例えば、「ログイン機能の仕様が未定になっているため、お客様に決定していただく必要がある」という事例の場合、お客様に決定していただくために「チームからは何をするか」、「何を提案するか」を考えなければならない。つまり、他の人ではなく自分が決定者として問題解決に取り組む必要がある。

次のアクションが分かるように、課題を書き直す

  • アクションとして何をするのかすぐに分るように、課題を細分化する必要がある。
  • 例えば、「品質を向上させる」という一般的な課題の場合、性能が悪いなら「応答スピードを改善する」、又はバグが多いなら「再度テストを実施する」など、より小さい課題に細分化する必要がある。

プロジェクトの目的に直接繋がる課題を優先する

  • 課題を見つけてもメモをしなかったら無駄となるが、多すぎるとすべてに対応できない。

課題管理

分類を簡単にできるようにする

  • 課題を細分化しすぎて、課題自体の解決ができない人が多い。
  • 分類の目的が何かという観点から見る必要がある。
  • 分類を定義する人の観点はこの課題について誰と連絡すればいいか明確にするため。

相談

依頼

内部対応

プロジェクト外の専門家に相談したり、お客様に聞いたりする必要がある課題

お客様など誰かに解決するように依頼する必要がある課題

チームできちんと考えれば解決できる課題

まとめ

  • 課題は問題と異なり、プロジェクトの完了に向けて前向きな意味をもつ。
  • 課題管理で困るのは何を書けばいいか。
  • ダミー課題はよく本当に取り組まなければならない課題と混同されるため、「テーマ、優先度、分類」を見てダミー課題を発見する必要がある。
  • ダミー課題の整理方法:
    • 問題から課題を見つける。
    • 次のアクションが分かるように、課題を書き直す。
    • プロジェクトの目的に直接繋がる課題を優先する。
    • 分類を簡単にできるようにする。

練習

1. チームのメンバーは課題と問題を混同していないか、確認しましょう。

2. 問題を課題として記載していないか、チームの課題管理帳票を再度確認しましょう。

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